錆びない鉄筋
エポキシ樹脂塗装鉄筋
基礎部分を支える、耐食性の強いTPCエポキシ樹脂塗装鉄筋
サビない鉄筋の特徴
TPCエポキシ樹脂塗装鉄筋は、シンナーなどの有機溶剤を使用しない環境に優しい塗装鉄筋であり、鉄筋の腐食(サビ)による鉄筋径膨張を阻止することで、コンクリートのヒビ割れや崩落を防止し、構造物の耐久性を向上させます。
1.鉄筋コンクリートの寿命は何年か?
鉄筋コンクリートの耐久性を維持するためには、コンクリートの中性化期間をできる限り長くして鉄筋をサビさせないことです。例えば、かぶり厚さ4cm、水セメント比60%ではコンクリートの中性化期間は約80年ですが、55%では110年となり、硬い生コンで打設する方が期間は長くなります。両方とも一般的な使用期間60年はコンクリート中の鉄筋はサビることはありません。一方、施工不良でかぶり厚さ2cm、水セメント比65%では中性化期間は20年に満たないので、コンクリート中の鉄筋が使用期間中にサビてしまいます。
2.厳しい腐食環境に置いても長期間十分な耐食性が確保されます
TPCエポキシ樹脂塗装鉄筋の塗膜は、特殊エポキシ樹脂粉体塗装を熱融着させています。完全に熱効果反応の完了したエポキシ樹脂は科学的に安定していますので常温のコンクリート中では塗膜が他の物質により消耗あるいは変質することはありません。
例えば海上という極めて厳しい環境条件の中に建設された構造物では、普通鉄筋を使用した場合は建設後20年程度経過すると腐食限界線に達しますが、TPCエポキシ樹脂塗装鉄筋を使用すると50年経過しても限界線にはほど遠い、高い耐久性が得られます。また、エポキシ樹脂は電気絶縁性も高く、腐食電流や迷走電流も遮断しますので、半永久的に鉄筋を防食すると考えられています。
3.サビに有効なエポキシ樹脂塗装
エポキシ樹脂塗膜は、アルカリ、酸、塩分に溶解することはいっさいありません。
塗膜は耐屈曲性も備えていますので、鉄筋曲げ加工時にクラックなどが発生しません(写真参照)。
通常環境のかぶり厚さでも、耐食性は確保できるとされていますので、施工誤差の生じた部分でも確実な腐食対策が可能です。
コンクリートに対する付着力は、無塗装鉄筋の場合90%以上を有しています。
85%以上の付着力があり、適切な施工を行えば、構造上の強度にほとんど影響がないとされています。
4.経済的な初期投資で構造物の設計寿命が確保されます
TPCエポキシ樹脂塗装鉄筋を使用した場合のコスト増は総工事費用に対して1%程度です。
例えば総工事費が2000万円の木造住宅の場合、塗装鉄筋に変更すると20万円程度の追加費用が必要となります。しかし、この初期費用により構造物に本来期待される寿命が確保でき、鉄筋腐食によるヒビ割れも発生しませんので、補修工事は必要なく防食上はメンテナンスフリーが実現します。もちろん構造物の表面塗装のように塗り替えの必要もありません。
【塗装工程】鉄筋→ブラスト処理→エポキシ樹脂塗装
5.鉄筋コンクリート基礎の防錆対策
一般的に鉄筋コンクリート基礎の場合、アルカリ骨材反応・凍結などに起因するコンクリートのヒビ割れから水分が浸透し、鉄筋を腐食させ、鉄筋直径が膨張することで、さらにヒビ割れを発生させる悪循環を繰り返し、コンクリートの崩落を発生させる恐れがありました(写真参照)。その対策として、特に沿岸地域で施工される鉄筋コンクリート基礎の塩分による劣化を防止するため鉄筋の腐食対策としてTPCエポキシ樹脂塗装鉄筋が使用されています。
【写真】D19塩水噴霧試験2000時間後